パテラ 膝蓋骨脱臼手術

小型犬が増えたせいかブリーダーの努力不足なのか最近膝蓋骨脱臼の症例がさらに増えた気がします。
当院でも続けて手術必要な症例が来院しました。この病気は痛みが主な歩行不能の原因ではないためあまり鎮痛剤は効果を発揮しません。軽症ではカルトロフェンベットの週一回の連続注射で症状を緩和することができますが完治は期待できません。

当院の一般的な術式は下記の手術法から複数を選択して行います。
①滑車溝造溝術
　　浅い滑車溝の骨膜を剥がし溝を深く構築してもう一度骨膜をかぶせる
②膝伸筋群の配列修正
　　大腿四頭筋・膝蓋骨・膝蓋靱帯・脛骨粗面が一直線になるように修正する
③関節包組織の緊張開放
　　脱臼した側（ほとんどが内側）の関節包に網目状に切り込みを入れて緊張緩和
④伸びた関節包の縫縮
　　脱臼の反対側（ほとんどが外側）の関節包を短冊状に切除して関節包を縫い縮める
⑤脛骨粗面の転移術
　　脛骨から脛骨粗面を切り取り骨螺子で正常な位置に接合させる

これらの手術は当院開設当初から年間多数行っており、定評がございます。術後2週間は安静が必要で通常は1か月ほどで問題なく散歩ができるようになります。